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あなたの花あかりに~せおと特別寄稿によせて~

特別寄稿は、当ホームページ内 「季刊誌せおと」よりご覧ください

ホームページ開設当初から掲載してきた、浄土真宗本願寺派門徒総代廣瀬正人氏の

季刊誌「せおと」の寄稿が人気だ。美樹園ホームページの中で常にトップの閲覧数。その理由は何か。

日々の中で、何かしらの迷い 不安 戸惑い・・そんな思いをキーワードに検索していくと、どうやら廣瀬氏の寄稿にたどり着くことがあるようだ。

春。心がそわそわする季節。

美樹園のホームページにたどり着いたあなたの心がなんだか、暗いとき・・

花あかりになることができたら・・そんな思いで今回特別版を執筆していただいた。

                 

廣瀬氏は現在82歳。人生の先輩方は、日々の様々なことを自分なりに消化して、かっこよく生きていると思っていた。けれど、過去の行いの中には悔いることもあり、今も続く感情のようだ。

「あー同じ感情なんだ」と、どこかホッとした。

かっこよく生きよう、生きなければと力を入れなくてもいいのかもしれない。

私たちが、「人間」という姿で、この世に存在することは、「たまたま」であるそうだ。廣瀬氏の自宅に伺ったのは、鹿児島では珍しく、雪が降る寒い日であった。雪が舞い散る庭にふと目をやると、最近イノシシが出て困るんだよと世間話になった。

イノシシも、「たまたま」イノシシになったのだ。

みんな「たまたま」の世界で生きている。そう思うと、ふっと力が抜けた。人間の着ぐるみを着ているだけなのだ。その着ぐるみを脱ぐとまた違う世界が見えてくるかもしれない。「たまたま」人間なのであれば、「たまたま」イノシシであったかもしれないし、ウサギであったかもしれないし、蝶であったかもしれない。

あなたは「たまたま」何になりたかっただろうか?

ちなみに私は、「世界一幸せな動物」と称されるクォッカになりたい。ネーミングが可愛いから。でも、「世界一幸せでなければ・・」というプレッシャーが、クォッカにはあるのだろうか・・

そんなことを考えていると段々力が抜けていく。

人としての形でこの世に生まれてこられたのは、稀である。貴重である。人として生まれてこられたことが貴重だと思えたなら、自分の存在を尊く思えることができるかもしれない。

日々感じる「美味しい」「楽しい」「悩ましい」の原点は、自分が存在できているからである。

廣瀬氏は仰る。「蟪蛄春秋を識らず。」蟪蛄とはセミのことで長い地中生活を経て、夏に生まれて夏に死す。その命は2週間程だ。暑い夏しか知らないので、春秋冬はもとより、夏が暑いこともわからないそうだ。

私たちは、「充実」とか、「キラキラ」とか知っているからそれを求めようとする。

そもそもそれを知らなければ求めることもない。

人に自慢できるような何かがあること。キラキラしているように見えたり、「充実している」と言われたり、羨ましく思ったりする。私たちは、それを求めるから、なんだか心がそわそわするのかもしれない。

私も40年以上生きてきて、充実とかきらきらを知ってしまったので、それを

今更忘れることはできないけれど、「知らなかったとしたら」と想像することはできる。

たまには「知らなかったこと」にしてみるのもいいかもしれない。

「懺悔こそ宝なのかもしれない」と廣瀬氏は仰る。なんと斬新な!と思った。

懺悔とはマイナス要因たっぷりの言葉だと思っていたのに、「宝」とは!!

懺悔できることも、人間として生まれてこられたからである。

難しいことを深く考えず、ただ、ただ、人間として生まれてこられたことが尊いのだ。

人間道。せっかくのチャンスだから生きてみようと思う。

*お忙しい中、今回、特別版を執筆していただいた廣瀬氏に心より感謝致します。

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