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季刊誌「せおと」-fileNo.77-手取りはパンだが倫理は生きざまだ

fileNo.77手取りはパンだが倫理は生きざまだ

【生死の壁】①死んだらどうなるのでしようか。②地獄・極楽はほんとうにあるのでしょうか。③み教えを信じても災難に逢うのでしょうか。くだらないと言えばくだらない集まりで損得勘定でいえば「一銭がっもならん」研修会である。されど・・

笑った! 声を上げて笑った!

十一月十一日

国民民主党玉木代表の不倫報道に対するお詫びの街頭演説に聴衆からの野次[やじ]に笑った!

お詫びする代表へ「倫理よりも手取り!」の声が飛んだというテレビ報道に笑った。今年の流行語大賞をあげたいと言って笑った。

周知のことではあるが十月二七日行われた衆議院議員選挙で玉木代表率いる国民民主党は改選前の七議席から二八議席へと四倍の議席を獲得、その上自民党公明党の与党が過半数割れとなりその存在感は爆上がりである。

国会審議や法案等を成立させるには石破政権は野党の一部の協力が必要となる。もともとゆ党と揶揄[やゆ]される国民民主党であるから与党から声がかかる。

それにしても「ゆ」党のネーミンクもいい。ひらがなの五十音図「あいうえお」で始まるあれの最後の方に「やゆよ」がある。「や」は野党、「よ」は与党とくれば、その真[ま]ん中は「ゆ」である。

野次といい「ゆ」党といい抜群の言語センスである。世の中賢い人が多い。

さて四倍に膨[ふく]れあがった玉木代表の意気は上がり鼻意気は荒い。首班[しゅはん]指名選挙で立憲民主党の野田代表に野党協力を求められても首を縦に振らず決選投票になっても自分の名を書くと息巻[いきま]いた。

自民公明両党との連立政権への参画はしないが政策ごとに連携する部分連合に意欲を示し国会運営のキャスティングボードを握ったのである。

選挙公約の実現を図るのはこの時とばかりに与党に迫っているのが経済政策の「一〇三万円の壁」といわれる控除額の引き上げである。「国民の手取りを増す」と玉木代表は張り切っていた。

そこへ週刊誌の不倫報道であり冒頭のお詫び演説、野次へとつながるのである。

十一月二十二日

外出先から帰ると二通の郵便物が届いていた。一通は「せおと」の原稿依頼、もう一通は「鹿児島組[そ]」からの門徒総代研修会の案内で場所は「鹿児島別院」とある。

鹿児島組とは浄土真宗本願寺派の末端組織で組は「そ」と読みトップは組長[そちょう]で組長[くみちょう]ではない(笑い)。鹿児島市谷山地区、旧郡山町、旧松元町、桜島、日置市の一七ヶ寺のグループで鹿児島教区(県全域)の十一組の中のひとつである。

鹿児島別院は山形屋裏にある浄土真宗本願寺の直轄寺院で教区の拠点でもある。教区はほぼ全国の都道府県に存在する。

組には組会、教区には教区会、京都本山(西本願寺)には宗会なる議会があり、それぞれ僧侶・門徒(信者)半々の議員で構成されている。

活動計画、予算等も議会で審議議決される。実に民主的な組織なのである(笑)。

本山と末寺[まつじ]の関係は昔と違いどちらも宗教法人で末寺を単位宗教法人、本山を包括宗教法人と称する。真宗系寺院には単立宗教法人呼ばれる本山に属さない寺院も存在する。

単位宗教法人は三人の責任役員と数人の総代で構成されているが責役三人の中の一人は門徒の代表である。

ずい分長い前置きとなったが組の総代研修とはこの末寺の総代さんを集めて質の向上を図ろうとする企[たくら]みである(笑)。

今回のテーマもおもしろい!

車座法座「分からないことは何でもお尋ねしましょう」で質問の例が①死んだらどうなるのでしようか。②地獄・極楽はほんとうにあるのでしょうか。③み教えを信じても災難に逢うのでしょうか。

くだらないと言えばくだらない集まりで損得勘定でいえば「一銭がっもならん」研修会である。

されど聖書の言葉にも「人はパンのみに生きるにあらず」とある。人と生れて「美しい服に身を包み、おいしい物をたらふく食べて、そして死んだ」という一生もいかがなものであろうか(笑)。

仏教の六道輪廻(生れ変わり死に変わりする命)は死後のことであるが、この世の人の在[あ]りようとする言説もある。地獄・極楽も日日の暮しの中にあるのかもしれない。

手取りはパンだが倫理は生[いき]ざまである。

露ちるや 地獄のたねを 今日もまく 一茶

令和7年冬季号より

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