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季刊誌「せおと」-fileNo.005-「素敵な人ね」と言われるよりすばらしいこと

fileNo.005「素敵な人ね」と言われるよりすばらしいこと

『青色青光(しょうしきしょうこう)の心』

「仏説阿弥陀経」という教典に青色青光、黄色黄光(おうしきおうこう)、赤色赤光(しゃくしきしゃっこう)、白色白光(びゃくしきびゃっこう)という文言があります。前後があるわけですので、ここだけ取り出しても分かりにくいとは思いますが、そのまま読むと青い色は青い光を放ち、黄色は黄い光を放つということです。もっと言えば青色の花は青い色に輝いて咲いており、黄色の花は黄色い色に輝いて咲いている、ということでしょう。青、黄、赤、白色【もっといろんな色がありますが】はたとえであって、人はそれぞれの人の輝きがあり、同じ色はひとつとしてないということを表しているのでしょう。どの色が立派であるとか、この色が優れているとか言えない世界です。あたり前といえば、あたり前のことです。

金子みすずという詩人の詩に次の一遍があります。
『私と小鳥と鈴と   わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、とべる小鳥はわたしのように、地面をはやく走れない。 わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど、あの鳴る鈴はわたしのように、たくさんうたは知らないよ。 すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい。』
この皆んな違って皆んないいということと、この青色青光の心はほば同じことのように思えます。人はそれぞれ違うし、違っていいのだ、その違いを大事にしたいと言っているようです。

誤解してほしくないのですが、チームワークも考えず好き勝手に仕事をしていいというレベルの話ではなく、もっと根源的なところでの人のありようのことです。人を尊重するとか尊敬するとかは「自重」【自分で自分を重んじる】に始まるといわれます。自分の青色青光[私(わたくし)は私色(わたくしいろ)に輝いている]が自分のところでしっかり摂(おさ)められて、はじめて他人の黄色黄光[あなたはあなた色に輝いている]が大事になるのではないでしょうか。人はひとりでは輝きません。黒色があればこそ白色が白色として鮮やかにあるように、自分以外の存在で自分がより自分らしく輝けるようです。「あの人は素敵な人ね」と言われるのもすばらしいことですが、言える人の方がもっとすばらしいと今の私は思います。

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